大手電機メーカーにエンジニアとして採用され、導入教育後に各人の配属先が発表されました。

 

導入教育期間内に、一応各人の希望のヒヤリングがあり、私は全社の基礎研究や重点分野の研究を行う中央研究所を第1希望として、第2希望としてデバイス事業部門の開発センターを希望しました。

 

しかし、発表された配属先は、デバイス事業部門のある事業部の技術部でした。デバイス関連である事はある意味希望どおりでしたが、研究職ではなく設計開発・工場技術・営業技術を担う事業部の技術部でした。

 

しかも、その事業部の担当製品はデバイスの中でも先端的分野ではなく、どちらかと言うと昔からあるデバイスを担当する事業部でした。

 

この配属先には、少々がっかりし、モチベーションが大いに下がりました。

 

しかし、3か月ほど先輩について設計開発を始めた分野は、その事業部では比較的新規性が高く、設計できるのはその先輩一人と言う状況でした。

 

そんな事もあり、一通り設計開発技術を習得すると、お客さんである機器メーカーへの訪問打ち合わせ等、責任ある仕事を任されるようになりました。

 

そんな事もあり、必死でお客さんの満足を得る様な設計開発を行いました。

 

いつしか、配属先にがっかりしていた事も忘れ、お客さんに喜んでもらえる事に楽しみを見出せるようになりました。

 

さらに、先輩と私が担った新たな商品群の販売が伸び、利益も確保でき、事業部の経営を支える1つの柱に成長すると、自分達が事業を引っ張っているのだと言う自負も生まれ、仕事が非常に楽しくなりました。

 

それから何年かして、その事業部の中堅技術者となり、自分にとっては、この技術部に配属されてむしろ良かったと考えるようになりました。

 

学生気分が抜けぬ間は、研究職への憧れがありましたが、メーカーのエンジニアとしては、直接お客さんに近く、また事業部制を敷いている企業にあっては、事業部の技術部門こそ経営にも直結し、自分の働きが見えると言う意味でも楽しみが多い部門なのだと感じるようになったのです。

 

与えられた仕事が希望ではないと腐らずに、そこで新たな楽しみや、やりがいを見つける事が大切だと言う事を強く感じました。